リガ(ラトビア共和国)

12月帰国寸前に急に入った仕事で、リガへ飛んだ。バルト3国の一つ、ラトビアの首都である。昔はハンザ同盟の都市であり、ドイツ人が活躍した華やかな時代もあったようだ。しかし、この季節、日照時間が極端に短く、夜が明けたと思ったらすぐに夕方になると言った印象だった。また、監視も厳しく、自由に行動できる時間はほとんど無かった。夏来ると美しいところだそうだが。ソ連の中では、もっとも重圧を感じる場所であった。

 

1215(金) モスクワにて

12/7(木)から12/12(火)までリガというところへ行ってきた。バルチック海の沿岸都市でモスクワより飛行機で1時間半、モスクワより西にあるのに、時間帯は同じなので、朝白み出すのが9時過ぎ、10時過ぎにようやく太陽が南(東ではない)の方に顔を出す。ここは夏来ると良いところらしいが、こう寒くて、暗くてはどうしようもない。この町にドーム寺院というのがあって、そこのパイプオルガンが世界第2位の大きさとか言うことで夜聞きに行ったが思ったより音が小さい。寺院が大きすぎるらしい。仕事の都合でもう一度、12/19(火)にリガへ行くことになった。

 


リガには2回行き、合計で1週間滞在したことになる。しかし、空港に到着したものの、先方と連絡が取れず、何とかホテルを確保したが、電話が掛からない。ようやく接触できたが、先方への入所手続きが難航し、二日ほど無駄に時間を空費した。2度目はそれ程のことはなかったが、いざ仕事に取りかかっても、朝、ホテルを出るときは真っ暗のため、夜中に出かける気分になってしまう。しかも午後2時過ぎには日が暮れるので、ホテルに戻っても外出する気にもならない。その上、友好的な雰囲気は皆無である。物理的にも、精神的にも真っ暗闇の中に居る感じで、一刻も早く脱出したくなった。そのせいであまり写真が残っていない。

      

これが大国に押し潰され、抵抗もできない小国の無惨さなのだと分かったのは後のことで、そのとき感じたのは、ひしひしと囲んでくる重圧感だけだった。

    

それでもコンサートに行った。この町の名所であるドーム大聖堂のパイプオルガン演奏会に出かけた。暗い空から、黒い雪が黙って落ちている、その闇の中に黒々と立っている大聖堂に向かって歩いたという記憶が残っている。

      

この日(129(土))の演奏はフランスのオルガニスト、ピエール・コシュロー、曲目はクープランの「五つの小品」、セザール・フランクの「幻想曲イ長調」、ヴィエルヌの「シンフォニア」等。

 


 

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